特集 新診療報酬と今後の対応
新診療報酬で良質な看護の提供は望めるのか
職能団体の立場から—社団法人日本看護協会
杉谷 藤子
1
Fujiko SUGITANI
1
1(社)日本看護協会
pp.718-721
発行日 1992年8月1日
Published Date 1992/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900160
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改定の総体的評価
今年の社会保険ならびに老人保健の診療報酬改定では,1に人件費(給与費)対応,2にサービスの質への対応,3にアメニティへの対応の基本的な考え方がとられたと思う.そして特に,異例のことながら,中央社会保険医療協議会により「良質な看護サービスの安定的・効率的な供給の確保」への対応として,看護婦の労働条件の改善などが示唆された.
このことにより既報の通り,改定率5%(実質2.5%)中,2.6%が看護関連で引き上げられる事態を生んだ.この背景には,看護婦不足があったこと,職能団体として「良質なサービス提供のため,増員などの条件づくりと看護職の主体的活動の評価を求め」資料を添え,要望を重ねてきたこと,また,関係団体の支持を得られたことがあったと思う.
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