教養講座 世界史の女性像・10
フランス革命前後の社会と女性たち
井上 一
1
1横浜市大
pp.68-70
発行日 1958年11月15日
Published Date 1958/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910739
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ルイ14世の時代とその後
16世紀から18世紀にかけて,ヨーロツパではほとんどの国で絶対主義と呼ばれる王室中心の政治形態が支配的なものでしたが,その頂点ともいうべきものがルイ14世(1638〜1715)という王の時代のフランスでした。
この人は前の号でおはなししたように,ルイ13世とアンヌとの間に生れ,幼い時に王位を継ぎました。そして王権に対し,大貴族が自分達の権力をまもろうとして起した反乱に一旦はパリを逃れるような目にあつても,結局はその抵抗を圧倒して王権を確立しました。彼の有名な言葉に》朕は国家である《というのがありますが,これでわかるように当時のフランスの政治,経済,文化はことごとく王室,むしろルイ王(大王とか太陽王とか呼ばれていました)を中心にうごかされていました。
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