新看護学
胆道及び胆嚢脳疾患の病態生理(その1)
阿部 正和
1
1慈恵医大
pp.65-72
発行日 1958年10月15日
Published Date 1958/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910719
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1.解剖学的事項
既に肝臓疾患の病態生理で述べたように,胆汁は肝細胞によつて毛細胆管に排泄され,次いで肝管(hepatic ducts)内を流れる。左右の肝葉内を通つた肝管は,肝門の部で総肝管(commonhepatic duct)に集合し,次いで胆嚢からくる胆嚢管(cystic duct)と合併して総胆管(commonbile duct)となる。
総胆管は,膵管(pancreatic duct)と合して,ファーテル膨大部(ampulla of Vater)をつくつて後に,十二指腸乳頭部(duodenal papilla)に開口している。時には膵管と合併しないで,総胆管のみが単独に十二指腸に開口(30%ぐらい)している場合もある。フアーテル膨大部が開口する部分の十二指腸の壁は,筋肉層がよく発達して,オディの括約筋(sphincter of Oddi)を形成している。
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