実地医家のための診断シリーズ・8
胆道胆嚢造影法の実技
浜田 博之
1
,
駒瀬 義夫
1
,
杉浦 啓太郎
1
,
伊藤 怜子
1
1関東逓信病院健康管理科
pp.1056-1058
発行日 1965年8月20日
Published Date 1965/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203704
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胆嚢胆道疾患々者は,われわれの日常の診療にて遭遇することが,かなり多く,既往歴および理学的検査により,本疾患を疑い,精密検査施行のため,レントゲン検査に廻される率は,私達の病院においても,消化器系愁訴を主訴とするものの5〜10%に相当する.
胆嚢胆道疾患には,胆石症,急性および慢性胆嚢炎,ジスキネージ,腫瘍,寄生虫疾患などが主なるものとして挙げられるが,なかんずく,胆石症胆嚢炎,ジスキネージの3者は,臨床症状も互に相似た点が多く,その鑑別は毎常必ずしも容易とはいえない.ことに,胆石が存在するか否かの診断は,実際の治療面に関連する所が大きいので,その重要性は議論の余地のない所で,X線検査で,胆石陰影を証明する,あるいは十二指腸ゾンデ法にて胆石を認める場合以外は確実な決め手となり得ない.最近7〜8年来,超音波診断法も,わが国の大病院で,試みられ,多大の成果を挙げつつあるが,まだ広く実地医家が,日常操作として駆使し得るという段階にまでは達していない(超音波検査法については別項論文参照).今回,私達が,当病院の外来および入院患者に施行している胆道胆嚢造影法の実際について述べる.
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