医学の話題
白血病,他
P
pp.61
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910695
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白血球がどんどん増えて止まるところを知らないというのが白血病であるがその原因はまだよく分つていない。ちようど癌の細胞が,無限に増殖して結局は生命を脅すのと同じように考えれば,白血病は白血球の癌のようなものといえる。しかし,一部の人々は白血病はヴイールスによつて起ると信じており,また実験的にこれを証明した人もいる。原因はともかく,白血病の患者が増えていることは確であつて,日本の大学病院に行くと10人に1人や2人はこの患者さんがいる。原子爆弾の放射線を受けた人々から多く白血病が発生したことは確なことで,このため最近の白血病患者の増加を原子の灰のせいにする人々も多い。
原因を研究して現在用いられている薬だけでもテム(TEM, Triethylen Melamin)6MP,Cortisone,Myleranそれに古くから使われているナイトロミン,レントゲン照射等数えきれぬくらいあつて,それぞれの長短所を持ちつつ現在盛んに用いられている。
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