発行日 2002年5月20日
Published Date 2002/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2002255567
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東海地区の1公立病院に入院し,病名を告知されている成人の白血病患者4名(平均50.7歳)を研究対象者とし,白血病の入院治療を受けている成人患者が,他の白血病患者とどのような人間関係を築き,相互に影響を受けているのかを探求した.その結果,白血病の成人・老人患者の築き上げる相互関係は患者をめぐる他者との関係の継続に向かう発展的変化を示した.このプロセスに受動的関係,能動的関係,連帯意識,関係の継続という四つの位相カテゴリーが見出され,各々にサブカテゴリーを含んでいた.第1相から3相において患者は,他の患者に自分の将来を重ね,他の患者と自分との違いを意識するというとらえ方をしながら,各々をプラス又はマイナスの方向へ解釈しており,患者は第2相から3相では医療者や家族,他の患者から,プラス指向に考えるように働きかけられ,大きな影響を受けていた.又,位相カテゴリーを,時間(横軸)と関係の密度(縦軸)の関係においてとらえると,カテゴリー間にはある時間的順次性が見出された
©Nankodo Co., Ltd., 2002