Medical Topics
遠隔操作,他
P
pp.46-47
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916200
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精神分裂病者のしばしば訴える症状に「自分はロボットになったようだ。遠くから何者かの力で操られ動かされる」という不安な体験(作為体験)がある。
超近代的な病院の中での患者というものは,次第にこのような不安を持つようになるのではないかと私は危惧する。コンピューターがフルに活用され,診断,検査,看護の大部分を機械が行なうという,将来の病院を想像してみよう。患者はテレビやオートナースで看視され,体温や脈をみる医者や看護婦の姿はなくなり,手術室に運ばれるのにも,自動的なエスカレーターやクレーンのようなものでいつの間にか手術台にのせられ,おそらく手術も,医者は手洗い消毒などする必要もなく,隣の部屋に坐ったまま窓のそとから手術機械を動かして,切開や縫合も(あるいは光線や原子力によって)まったく遠隔的に行なわれるだろう。
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