醫學のあゆみ・18
唾液腺ホルモン—(パロチンの作用)
杉 靖三郞
pp.32
発行日 1953年3月15日
Published Date 1953/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907262
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唾液腺は,消化酵素を出すだけでなく,内分泌をおこない,ホルモンを出していることがわかつた。このホルモンは,二十數年來,東大の諸方知三郞教授および門下の人々によつて研究され,その分離がなされ,製劑化することに成功した。
このホルモンは,パロチン(Par—otin)と名ずけられ,歯や骨のような硬い組織の發育に不可缺な化學物質であり,なおその他の間業性組織とよばれるものに對しても,その發育や榮養に對して,關係をもつものであることが,證明された。膵臓ホルモンのインシユリンが含水炭素代謝に關係するように,このパロチンは,蛋白質代謝に參與するものであるらしい。
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