扉
はげとり草
pp.13
発行日 1958年1月15日
Published Date 1958/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910509
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栗の葉にもう少し丸みをつけたような形と感じの葉をもつている縦横共に1米半位の灌木で「はげとり草」とよばれているものがあることをはじめておそわつた。「はげとり草」というのはもちろん俗名で,れつきとした学名が別にあるのではあるけれども,おしえてくれた人にもそれはわからなかつたので,如何にもその木のあり方を端的につたえる「はげとり草」のままに不自由をしないので,読者にもそのままおぼえていただくこととしよう。そのはなしは次のようである。
はげ山にこの灌木を植えると,その葉が落ちて土をおおい,土砂のくずれるのを防ぎ,又腐沃土となるので,特に松の木の種子がよく成長する。松の木が育つて,はげとり草より大きくなつた頃には,はげとり草は枯れて土に返つていく。
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