附録・5 新看護学—なぜなぜ看護
呼吸器疾患の病態生理/胸膜炎の看護計画
阿部 正和
1
1日赤中央病院
pp.75-88
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910417
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7.胸膜炎(PleuriSy)
1)胸膜と胸膜腔
胸膜腔は1枚の膜で閉ざされた袋と考えることができる。第1図に示すように肺臓の表面をおおう胸膜は肺胸膜(Pleura Visceralis)といい,これが肺門部で反転して,胸廓側をおおう胸膜を壁側胸膜(Plura pa—rietalis)という.この2枚の胸膜の間にはごくわずかな液体が存在するだけで本来空間は存在しないのであるが,理解に便なにめに一定の空間をおいて描いたのてある。この2枚の膜は,丁度2枚のガラス板を水ではりあわせた状態に似ている。お互いに平行に滑つて動かすことはできるが,2枚の膜をひきはなすことはなかなか容易でない。従つて呼吸運動に際しての胸廓の動きは,そのまま肺の動みを示すものと考えることができる。
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