附録・4 新看護学—なぜなぜ看護
呼吸器疾患の病態生理/肺癌の看護法
阿部 正和
pp.77-92
発行日 1957年7月15日
Published Date 1957/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910399
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6.肺膿瘍(Lung abscess)
肺の化膿症は,厳密には一般化膿菌によつておこるか,あるいは腐敗菌によるかの細菌学的な相異によつて,肺膿瘍と肺壊疽とに分けられるが,臨床的には,主として喀疫の腐敗臭の有無によつて区別している。実際には,原因となる細菌がふつうの好気性菌とともに,スピロヘータとか,あるいはフジホルミスのような腐敗性菌が共存しているために,起炎菌による区別はむずかしい。最近では肺化膿症(Pulmonary abs—cess)として,この二者を一括し,臨床的にはとくに区別を必要としないと考えられている。
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