特集 こういう看護を何故すべきか
洗髪
五月女 歌子
1
1国立東二病院附属高等看護学院
pp.117-121
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910205
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I.洗髪の必要性
頭髪を整え清潔に保つことは,入浴と同様に私達の一般的な日常生活の一部となつて居ります。殊に就床せる患者の場合には,毛髪と頭皮を洗い梳くことは単に気分を爽快にし気持を良くするというだけではなく,幾つかの重要な意義をもつものであり,更に洗髪を行わない場合には後述の様な,様々な悪影響のあることを考えれば,その必要性については改めて論ずる必要はないものと思われます。
毛髪及び頭皮を不潔にしておくならば,如何なる疾患が起きるかという点に関しては,判つきりした文献はない様であります。然し常識的に考えてみましても,先づ塵埃により毛髪の光沢が失われるし,体分泌物の分解腐敗によつて悪臭を放ち,又その分解産物の刺激により,脱毛及び二次感染を起し各種の皮膚疾患も起り得るでありましようし,寄生虫の寄生も考えられます。更に汗の分泌状態脂漏の問題,皮膚のPHの関係等から考えてみましても,何等かの皮膚,毛髪疾患が起るであろうことが推測されます。それでは如何なる部位が如何なる状態で最も汚れ易いかということを考えてみましよう。
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