特集 乳児の哺育と看護
〔Ⅱ〕異常児
発育不全
小林 提樹
1
1日赤産院小児科
pp.160-170
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910101
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I.まえがき
発育不全という言葉は大変漠然としていて,むしろこれは通俗語と考えられます。その意味は,勿論発育がうまくいかないということですが,更に発育とは伸びて行くことですので,結局伸び方がうまく行かないことと解釈されましよう。これによく似た言葉に発育異常という言葉があります。これは発育が正常でないもの,即ち良すぎるものも,悪すぎるものも含まれますので,発育不全はその中の一部の悪すぎる方だけと考えられます。
発育が悪いという中にも,発育の軌道上にはあるがその程度の劣つている場合と軌道からはずれている場合とが考えられます。前者は未熟という言葉が丁度あてはまりますが,又発育不全もあてはまり,後者は低劣な異常ということになりますが,しかしその大部分は発育不全の中にいれてもよいでありましよう。
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