連載 Health for All-尾身茂WHOをゆく・30
日本の医療を考える・1
尾身 茂
1
1WHO西太平洋地域事務局
pp.454-455
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101086
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本誌に執筆を始めてから,30回を迎えた.これまでに取り上げたテーマを振り返ってみると,WHOでの仕事を紹介する中で,ポリオの制圧に向けての努力や,西太平洋地域におけるSARS対策の取り組み,鳥インフルエンザ対策に関する各国と連携した対応など,感染症に関するトピックが多かったことに改めて気づく.これは,未だに多くの開発途上国では感染症が重要な課題であることを反映していると言える.
事実,こうした国における最大の保健上の課題は感染症であり,各国政府は国民の健康を確保するために感染症への取り組みを最優先課題として位置づけ,努力が続けられている.感染症対策については,国際的な枠組みでのサポートもあり,対策の大筋が既にわかってきていることから,ある程度成果も上がってきているのが現状である.
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