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                                    ナイチンゲール誓詞私解—その2
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                日比野 路子
                                            
                                            
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.42-44
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1956年3月15日
                  Published Date 1956/3/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910084
                
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第二節 わが生涯を清く過し,わが任務を忠実に盡さんことを
誓いの言葉として,第一に何を誓うかといえば,ナイチンゲール女史は,大それた,といつてもよい様な言葉を,最初に持つて来ている。
「わが生涯を清く過し」であるが,生涯といえば,読んで字の如く,人の生から死までを貫いた一生を指す。その一生を清く過すことを誓うなどゝいうことは,人間業ではなし得ぬことである。死を前にして,胸に手を置いて「私は一生を清く過しました」という人があつたとしたら,それはウソをついたのか,自分でそうだつたと間違つて思い込んだのかであろう。仮りに,主観的には清く過したと自覚しても,果して冒頭にふれた様に,神の前に清く過したという客観的事実を主張し得られるかどうか。聖なる神の前に立つて,尚且つ自ら清しという事の出来る人は果してあるであろうか。いわんや,人は無意識のうちにも,けがれた言動をしないとは保証し難い。まことに,悔いても,悔いても足りないのが,人の生き方ではなかろうか。

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