Student's page 北海道大学附属看護学校
学園紹介
泉田 昭一郞
,
本間 肇
pp.44-47
発行日 1956年2月15日
Published Date 1956/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910059
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「Boys be ambicious」の言葉を残されたクラーク先生の意想の流れを酌んで,80余年の伝統を誇り,エルムの学園として全国に著明な北海道大学の一隅に僕達の学校があります。本学の延々十数万坪に及ぶ広大な構内には,夏ともなればエルムの巨木が其処此処を緑でおゝいその間に1世紀前の古風な感じのする建物と近代建築科学の粋を集めた瀟洒な建物が対象的に散在し,北日本文化の殿堂として,常に真理の探究に余念のない学生達の精神に無限の安定感を放射しています。附属農場には悠々と草を反芻しているのびやかな牛の群も見られ,ポプラ並木の長道は,明日への希望を語り合う若人の逍遙地として不足はありません。地上の大部分を占める芝生の上では書物を繙くもの,仰臥して黙念と思索に耽るもの,グループで歓談するものなど思い思いの学生達の姿がみられ,都心にありながら,芳散する植物の香と閑寂な雰囲気は,僕達の向学心を燃えあがらせるに充分です。
北海道第1の病院と云われ,千近くの病床を所有する医学部附属病院が僕達の実習場となつて居り,目下5階建の新病棟建築工事が進められ,之が完成の暁には国立大学随一の綜合病院となるそうです。此の病院の西側に独立した木造の建物,之が僕達の本校舎で,処此では教務室と,1年,3年の講義室と完備された基礎看護実習室があります。校舎に連つて1年,3年の寄宿舎が北側にあります。
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