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芸術の園,八幡学園を訪れて
原 誠
pp.46-52
発行日 1957年5月1日
Published Date 1957/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201271
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昨年のジアーナリズムの3大事件というのは,人によつていろいろと取りあげ方も違うようだが,その1に,太陽族のバツコ,その2に,週間雑誌のハンラン,その3に,山下清の登場だと云つている人が多い.太陽族というのは,いまさらいうまでもなく,石原慎太郎の文壇登場を契機として,町にも村にも,海にも山にもはびこつてきた,若い,無節操な,そして旺盛なバイキンのようなヤカラのこと.週間雑誌のハンランというのは,日本人の智恵をわずか30円の価値に引下げ,しかも物の考え方を1週間以上つづかせないようにコマ切れにしてしまつた軽文化流行の悲しむべき現象を指摘している.せいぜい,クイズくらいしか考えないような,フヌケた人間が,このおかげで全国にハンランした.とにかく3大事件のうちのこの2つまでは,ジアーナリズムの作りあげた,神武以来の大罪である.が,その3——山下清の登場というのは,同じジアーナリズムが作りあげたものとは云え,まことに明朗.まるで,罪のつぐないを彼一人が背負つているような恰好である.
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