私の職場
足立学園―あるチームリーダーの立場から
高松 鶴吉
1
1足立学園
pp.220-223
発行日 1971年6月9日
Published Date 1971/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100439
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はじめに
私の職場に投稿されるかたがたは,ほとんどがセラピストのかたがたであって,医師というか,チームリーダーというか,そういう立場の人が書かれているのを読んだことはない.だから,この文も,うちのセラピストに書いてもらおうかとも思ったが,立場の違う者が書くのもまた変わっていておもしろくもあろうと,あえて雑文を書かせていただくことにする.
足立学園というのは,北九州市が昭和40年秋に作った肢体不自由児施設である.当初50のベッドであったものが,このあしかけ5年の間にベッド100,通園40(通園というのは定期的に通う特殊な外来,うちでは週3回)というものになり,今の私はもうこれ以上大きくしない方針である.
したがって比較的小さなユニットであるといえる.肢体不自由児施設というのはどこでもそうだが,長は整形外科医で,性格的には整形外科的リハビリテーション病院,それに年齢の制限が加わって,慢性の主として神経筋系疾患,だがときには骨関節系の疾患群がはいる.病気別にいえば脳性マヒが主体となって7割を占め,他にポリオ.慢性リウマチ,種々の骨系統疾患,側弯症などが加わる.
5年めという浅い歴史のなかで,本年の4月になって,やっとチームらしいものができ上がった.それまでの4年間は,増床もからみながら混沌とした,たとえていえば前史時代であったともいえる.
以下,チームの紹介,カルテのこと,プログラムのこと,それに若干の雑感をいくらかとりまぜて,ご紹介させていただく.
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