病床児慰安実技講座
お話とお遊び(9)
粟津 実
1
1児童文化財研究所
pp.65-68
発行日 1955年11月15日
Published Date 1955/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909983
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
『人間とは物を集めたがる動物である』といえるほど,人にはよく集める習性がある。バタ屋やモク拾いの方がずつと純情であつて,巨大な邸宅を構えている新興成金族は,黄金にあかせてその習性をエゲツナク発揮している。モノの中には「人物」も含まれるので,政党や会社,役所,研究所などはソレを集める。集めなければ仕事が出来なかろうから,大いに人才を集めてよろしい。昔の大名族も家臣なるものをウヨウヨ集めたのである。
さて『蒐集癖』又は『蒐集狂』となると,同種属のモノを多数に持ちたがる,例えばダルマに関したものを全国から集めている人がある。その人の主宰するダルマ堂は,すべてがダルマに関係のあるもので埋まつている。この様な蒐集は大人の仕事であり,財力のバツクがないとやれない。何々博物館と称するもの,動物園も植物園も,水族館,美術館,図書館もこの種の大仕掛なものである。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.