特集 戦後十年最近の医学と看護はどう変つたか?
麻酔の看護
中鉢 美津子
pp.71-73
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909935
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I.麻酔前の準備
全身麻酔,脊髄麻酔を施こす患者は消化管を空にします。当日は禁食にし,例え流動物でも麻酔前4,5時間以後からは与えません。胃内容があると麻酔によつて容易に嘔吐し吐物を気道に吸引して,肺の後発症を起すおそれがあるからです。急を要する場合は胃洗滌を行なつて胃内容を洗うこともあります。更に当日朝高圧浣腸を行なつて腸管内を空にします。麻酔,手術によつて腸の動きが制限され鼓腸による腹部膨満を少くするためです。又排尿も直前に必ずさせて膀胱を空にしておきます。
口腔の清潔を行い取はずし出来る義歯は必ず除去し水を満したコツプの中に清潔に保管します。義歯をはずすのは麻酔中に誤嚥したり,気管内挿管の時操作の妨げにならないようにするためです。
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