特集 戦後十年最近の医学と看護はどう変つたか?
最近の麻酔
天野 道之助
pp.62-70
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909934
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戦争が終ってから今年で10年になりますがその間に日本の医学は随分進歩しました。中でも戦前にくらべて非常に大きな変化をしたのが麻酔です。私がはじめて麻酔を専攻するため渡米した昭和25年頃にはまだあまり世間では関心を示していなかつたものですが,最近多数の人達が麻酔を勉強するようになり,麻酔学という独立した学問が認められるまでになりました。
欧米ではずつと以前から綜合的な麻酔が日常行われていたにもかゝわらず,わが国では最近までその半分あるいは三分の一位のことしか知られていなかつたということは何故であるか,どうしても理解できませんが,要するに皆が無関心だつたのでしよう。
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