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看護重宝事典—燃料の知しき(7)
沼畑 金四郞
1
1東京文化短大
pp.32-36
発行日 1955年3月15日
Published Date 1955/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909770
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電熱器の燃料としての価値
普通燃料と違い,煙も臭気も立てず,又燃焼生成物たるガスも出さないという点頗る衞生的で,且つ清潔に扱える燃料ということができるので,特殊な必要のある病室用の暖房に,又炊事用としてもどんな室でも電気さえ来ておれば,たとえ畳の上でもテーブルの上でも簡単な施設で用いられる特色がある。但し現在のところ燃料としての費用は炊事用煖房用共にガスの約2-2.5倍ということになるから相当費用の嵩むものとみなければならない。それに現在の普通住宅では電燈線からとるときは,600W(ワット)を限度とし,又受口即ちコンセントを利用するときでその2倍1200W以上は使えない。ところで今600Wから1時間に発生する電熱を計算してみると1KWの電熱器の1時間に発生する熱量が860calであるから,600Wの電気コンロからは
860Cal×0.9=516Cal
即ち約500Calということになる。普通のガスコンロで,1時間に2000Cal,木炭コンロで1500カロリーは出す。薪カマドはもつと多く出すことからして電気コンロはよほど大きい2キロ以上のを使わないとガスコンロや木炭コンロ,薪カマドに匹敵できないことになる。
しかし2キロ以上の電気コンロを家庭で使うには普通の配線では駄目で,特殊な配線が必要になつてくる。
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