2頁の知識
睡眠剤の効用
宮木 高明
1
1千葉大学
pp.55-56
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909550
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眠るということは生理学的にもまだよく判つていない。けれども眠ることが私たちにとつて自然の生理であることは嚴然とした事実である。睡眠によつて一日の疲労を回復して新しい体力を以て次の日の働きに就けるのであるから,もし眠れないという場合には健康人も病人も,いちじるしい負担をしよいこむことになる。ことに都会生活では刺戟が多くて夜の生活時間も長く,いきおい睡眠時間にもゆとりがなくなつている。大人は8時間,幼児12時間,赤ちやんは16時間というような標準はなかなか維持できない。
病人の場合では手術後の痛み,病巣の痛みなどで眠れないとか,心臟疾患などで眠れないとか,或はまた神経質になつているために不眠に陥るとか,それは病気によつて区々ではあるものの,かなり不眠難眠について処置しなくてはならない場合が多い。
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