講座
日本の結核問題を再検討する
北 錬平
1
1東京療養所
pp.6-9
発行日 1954年4月15日
Published Date 1954/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909537
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世界の国々にくらべて,日本の結核についての学問や技術は決して劣つているとは思えない。たとえば,BCGの研究や,その製品の質は非常に優秀である。また治療の面でも,成形術や肺葉切除術は,その成績の点からみても決して外国に劣つていない。
にも拘らず,日本の結核患者は,ほかの国々にくらべて,ひどく沢山いる。昭和28年度に厚生省が行つた結核の実態調査は,今までにない正確な調査なのであるが,これはおそらく,驚くような患者数を私どもに教えてくれるだろう。その結果は3月中には発表されるだろうが,私どもは,この冷嚴な事実から,もう一度,日本の結核対策の基本方針を考えなおしてみなければならないだろう。
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