講座
看護婦のための病院管理学(8)
守屋 博
1
1東一管理部
pp.22-25
発行日 1954年3月15日
Published Date 1954/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909522
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病棟外の診療設備(その2)
Ⅴ.手術室
手術は近代医学の花形である。以前は不治の病として,医師から全く見離されていたような病気にも,どんどんメスを入れるようになつた。腦,心臓,肺,大血管等の手術が今のように行われるようになろうとは,10年前の外科医は夢にも考えなかつたであろう。しかも昔は,このようなむつかしい手術は2, 3の大家だけができる名人芸であつたが今では肺剔出術を全国の療養所どこでも行われるようになつた。
名人芸であつた間は,手術に使う道具鋏,摂子は勿論,針から糸まで皆自分の好みがあつて,一寸異つても成績に影響したものである。従つて專属の手術室を必要としたために1病院内に2外科単位があれば同じ手術台,同じ器械棚,同じ更衣室同じ浴場が2つずつあつたものである。勿論整形外科,婦人科,泌尿器科等もそれぞれ独自の手術室をもつたものである。看護婦も医長や教授のくせを呑み込んでいなければならぬから誰でもやれるというわけに行かぬ。多くは外来又は病室からつれて行く事になつていた。
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