講座
看護婦のための病院管理学(3)
守屋 博
1
1厚生省病院管理研修所
pp.28-31
発行日 1953年10月15日
Published Date 1953/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909422
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社会と病院
世の中には色々の設備や店がある。これ等はみんな人々が要求しているからできるので,要求のない所には存在しない。これ等のうちには,営利的な企業で行うものと,非営利的な,公的事業のものとある。営利的なものは利益のある所でないとなりたたぬから,人々の欲する所に必ずできるとはかぎらないし,又不必要に一ヵ所に沢山できることもある。しかし病院は,百貨店や,映画館とちがつて全国民誰でも必要な時には,利用出来る樣でなければならぬから,本来からいえば,この樣に自然発生的にできた病院だけにまかすわけにゆかぬので,ここに病院計劃というものがなければならぬ。
病院には色々の種類がある。特種な病気を対稱とした病院である。慢性の病気は,在院日数が長いし,入院原価をやすくしなければならぬ関係から一ヵ所に大量に集める事が望ましい。そのために,癩療養所,結核療養所,精神病院は各々独立している。整形外科的の長期疾病も一ヵ所に集めることがよい。外国ではこのような優性病は,入院料の問題,或いは国営のために自然に集められているが,日本では,慢性病の時も,健保や生活保護で同樣に支払えるために,一般病院がこれらの疾病で占領される事が多い。
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