特集 誌上討論「ナースは非情な方がよい」をめぐつて
反対—ナースは有情の方がよい
日比野 路子
pp.6-18
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909502
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大迫氏の論文はたしかに私達看護の道を歩む者に対していくつかの問題を提出しておられる。読後の所感として今自分の感想をまとめてみようと筆を執つたが,結論的にいつて必ずしも大迫氏の所見と同じでないという点から,いさゝか批判めいた言葉になるのを恐れるのであるが,反面,事は私達看護婦全体の問題でもあるので御許し頂きたい。
氏の第一の論点は,映画や小説,その他ジャーナリズムの上にあらわれる看護婦(長)等は,多くの場合「意地の惡いヒステリックな女」であつたり「デタラメだらけ」だつたり,「あまつたるい安価な女性に限られて」いたり,「全く知性の片鱗もないミーちやんハーちやんむきの低級なやすつぽい女性」としか扱われていなかつたりするのは不満である事。しかしこれは「彼女等の罪ではなく,社会組織というものが軽く扱われていたところから,このような看護婦が過去に世に送り出されていた所に原因があつたのかも知れない」事,従つて今後は「法的に水準の高い学業を」身につけて出るから社会の彼女等を見る眼もあらためられてこなければならないという主張。
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