声
進学コース卒業無視に反対
岩谷 悦子
pp.46
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912362
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天から降ったか,地から湧いたかまったく突如として現われた保助看法改定である。それが日本看護協会の発案ときくに及んでは,驚ろきだけではすまされない。私たちの職場では,過日県看護協会支部が行なった保助看法改定に関する説明と討議の会の模様を録音して,出席できなかった多くのナースのために聞かせてくれたが,その質疑応答を聞いていて,私を非常に憤慨させたことがある。進学コース卒業生の身分である。
看護職の基礎教育の基準を高等学校にする基本線が打ち出されておりこれは協会幹部も,厚生省も,世論の声も大きいようであるが,高等学校を卒業せずに,進学コースに進み看護婦になった者は,保健師に進む道を与えないという意見である。高等学校を卒業していない者を大学卒と同格に扱えないのは当然である,と表明した偉い役員があり,「当然なり」と賛成した幹部連がいた。結論としては,進学コース問題は現在討議中であるとのことであったが,ここで昭和29年に保助看法改正が行なわれ,准看護婦制度がしかれた頃迄さかのぼって考えてみたいと思う。准看1回生は同じ新制中学を卒業しながら壁1枚へだてて,旧乙種看と同じ教科書で同じ先生に教育された。そして卒業後の資格は片は正看護婦片は准看護婦と運命づけられたのである。新制度実施への足並もそろわず,都道府県により1〜2年の開きができた。じっさいの話,12年生まれの乙種看があり,10年生まれの准看が存在している。
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