書評
99歳 精神科医の挑戦―好奇心と正義感
山内 俊雄
1
1埼玉医科大学
pp.1371
発行日 2005年12月15日
Published Date 2005/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100163
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私はこの本を読み終えて,しばし瞑目し,思いに沈んだ。それとともにふつふつとわき上がるある種の高揚感を禁じ得なかった。
この本は,「序章」で語られているように,上田敏東大名誉教授が,秋元波留夫先生に「対談をもとにして本を作る」ことを持ちかけ,「自伝的な」,「元気な,かがやく高齢者を世に紹介したい」とのおもいから企画,出版されたものである。はじめは,「秋元先生という傑出した高齢者がどうしてつくられたか?」という興味で始まったが,やがて明治,大正,昭和,平成という四つの時代を生きた「個人を超えた“時代”が姿を現わして」きて,当初の予想を超えた深い内容となり,個人の自伝を遥かに超えたものとなった,と上田先生が感想を述べている。
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