患者の訴えに對して
目まい
大藤 敏三
1
1日本醫科大學耳鼻科教室
pp.6-8
発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907272
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目まい(眩暈)は色々の原因によつて起る病症で大體の原病を把握する事は看護する人にとつても又病人自體にとつても大變に必要な事で徒らに心配しない丈でも助かる。然し醫師で無い場合に此の診斷をつける事は凡そ難しい問題ではあるが,凡そどんな疾病から目まいが起るかを知つておく事は,意味が無いとも思えない。又大體どんな治療を施すか,之は其次に來る問題である。
先ず第1に其人は一帯どんな疾病,障害を持つているかを知る事が大切である。耳の疾病の有無が先ず第1にあげられる。特に内耳の故障である。屡々見る疾病としてはメニエール氏病である。之は目まいの他に,耳鳴と難聽(之は起らない場合もある。大部分は同時に起ると思つてよい)とが突然に起るので,散歩中自動車の中,食事中,又は時に睡眠中にも起る事がある。全身の植物神經の異常緊張の状態に起る事に大髄決定された。
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