- 文献概要
昭和23年に制定された保,助,看法が,26年の春に一部改正され,甲種,乙種の別をなくし,看護婦として一本建とし,これに協力する准看護婦の制度を設け,新に出發し,その准看護婦の教育もすでに始つた今日,廢止になつたはずの乙種看護婦養成所の經營者(病院)が,それを撤回して延長しようと決議を行い,全國の乙種養成所長の賛同を求め,陳情,請願とお定りの政治活動を開始したという。時あたかも參議院議員選擧の時期で,前回の例もあり苦々しく思つていた。一方これに對する看護婦自身の動きは如何かと眺めていると,看護協會ではさすがに反對陳情をやつている。又,病院協會と共同聲明をも發している。仲々やるな,と思つてみていたが,實力に於てとても前者の比ではない。どうなることかといささか心配になつていると,政府もやつと腰をあげ,兩側の代表者や,その道の權威,關係者等を招集して,理解し合うこんだんのあつせん役をつとめたらしい,その結果は,乙種は延期することは適當であるから從來通りの方針でいくということになつたそうだ。即ち乙種は看護婦養成所が,准看護婦養成に轉換する。この際もう一つの副産物が生れた。これは或はむしろこの方が主流で,延期問題の方がそれに基くものであろうと,私自身は考えた。それは准看護婦を,醫療法で規定する病院に働く看護婦の定數の中に加えるという事實である。准看護婦は,法規上業務の制限は何もなく看護の業務は出來る。
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