臨床講義
上咽頭癌腫—(複雜な経過を辿た扁平上皮癌)
大藤 敏三
1
,
坂本 秀生
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.434-438
発行日 1950年10月20日
Published Date 1950/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200413
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
この臨床講義は上咽頭左側欧氏管開口部に原発し約4年の経過を辿り,遂に右側の所謂副鼻腔癌腫の病像を呈し,更に鼻性脳膜炎の合併の下に死亡せる複雜な経過を辿つた扁平上皮癌の症例に就て前後2回に亘つて行われたものである.即ち左側上咽頭癌→右側副鼻腔癌(ラヂウム及び上顎骨全摘出)→鼻性脳膜炎→死亡.此の間4年の歳月が流れ,左側上咽頭腔癌は殆ど全治した形をとつた.
患者:深井某,49歳,男子.
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.