発行日 1948年4月15日
Published Date 1948/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906306
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ひどい火傷を,あとかたなく癒すといふことは,こんにちの火傷手當のやりかたでは,まだ完全といふところまでは,いつておりませんが,これまで火傷のために失はれた生命を救ふといふ程度のことは,たいていのお醫者さまにおできになるのです。いえ,そればかりでなく,火傷した肉體の局部の機能を最大限度に保存し囘復させることもおできになるのです。この機能保持といふ意味はあの恐ろしい火傷の痕の筋肉のひつつりをそのまま殘しておくといふことが,すでに殆どむかしのこととなつたといふことなのです。
進歩した接皮術や,軟膏による皮膚の組織復活によつて,烈しい火傷にありがちな殘痕とされてゐるめだたないたくさんの皮膚収縮を除きさることができるのです。
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