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會護のことなど
ミネソタ大學の看護學校に居りました10日間に學校或は病院内のいくつかの會議にも出席致しました。先づ職員會議ですがこれは校長以下全看護教員が集つて毎週一回行われる由,ミス・ブレナンの後について會議室に參りますと20名餘りの立派な先生方が和服で或はユニホームで席についていらつしやいました。各席の前には20項目程の議題がずらりとタイプされた紙が配られてありました。定刻3時二つ程の空席を殘して會議は校長の司會で始まりました。例のにこやかな御顔でミス・デンスフオード(校長)が先ず私が何をしていて何の目的で來た人間であるかを皆樣に御紹介下さいました。立上つて日本流のおじぎをしにつこり笑つて挨拶に致しました。何にかしやべるようにと仰言られなくて内心有難く思つた次第です。
教授や助教授の資格をもたれた先生方がそれぞれ活發な意見の交換質議應答をなさいましたが校長の名司會は豫定の5時に全議事をすつかり終了させてしまいました。會議中隣りのミス・ブレナンにメモを廻して,特に興味のある發言をなさつた先生方の名前と何を教えていらつしやるかを伺い乍ら,共鳴出來る點不賛成の意を表したい點などについて傍聽者の私まで一生懸命考えておりました。それで夕日を背に受けスチームの直ぐ側に陣取り乍らも全々睡氣を催さない2時間でした。女性ばかりの會議を忙しい人々に時間の無駄をさせずしかも有数に気持のよいほどすつきり進行させられた事は會議の持ち方について大いに學ぶことがありました。この他婦長會議,醫師婦長,主任,榮養士,その他の職員が出席して行われた内科の職員會議,學科課程委員會そして内科病棟の婦長と主任,副主任のみの會議等に出席致しました。各々の會議からよい參考を得たことは申すまでもありません。
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