講座
病室管理の問題
早川 かつ
1
1大阪赤十字病院
pp.6-10
発行日 1952年12月15日
Published Date 1952/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907200
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病院の看護サービスと看護學校の兩面に對して大きな責任を持つ婦長,そして婦長の業績が病院の經營上及び教育上,機構の土臺となり,病院機構全體の健全か不健全かを左右する重要性をもつているということが認識される時代が參りました。婦長の行う病室管理にはいろいろの仕事があります。特に生徒の教育と,與えられた看護職員,施設及び條件によつて實現出來る看護サービスを最も效果的に統合することは,その最も重要な任務であります。
婦長が好ましい性格の持主であることは,人間としても,病室という社會に於ても必要なことであります。婦長はどうしても良い看護婦としての資格と管理上の計畫性を持つていなければならず,且つ事務的及び教育的手腕がすぐれていなければなりません。又肉體的健康の持主であり,辛抱強いということは不可缺の條件であります。精神的健康も肉體的健康と同樣に大切なことで,感情にとらわれない客觀的なものの見方と,社會性を持ち,他人のあらさがしや,他人のことに干渉しないでいられるということは大きな財産と云えましよう。又いろいろの人に接しなければならない婦長として,エチケットを身につけていなければならぬことは當然であります。これら人間關係がよく出來た人であることと,廣い教養及び專問的知識と經驗を持つていることは,病室管理者としての婦長に必要な資格であります
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