醫學のあゆみ・13
ATP
杉 靖三郞
pp.27
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907113
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これは,アデノシン・トリ・フォスフエート(Adenosine-triphosphate)という物質のことで,その略名です。アデノシンと3つの燐酸との結びついたもので,筋の收縮や組織の活動にとつて重要な働きをするものです。(PTAの誤植ではありません。)
筋肉が收縮するのは,筋肉の成分であるアクトミオシン(actomyosin)とこのATPとが結びついて,それに鹽類のイオンが作用しておこのるです。ATPは,休止している筋肉のなかでは,アクトミナシンと結合していますが,外からATPを與えると收縮がおこるのです。これは1gの筋につきATPO.25mgという小量あればよいのです。
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