発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907076
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醫學用語の基礎となる解剖學用語を整理統一し萬國共通の學名としで認められたものは,1895年(明治28年)Baselでドイツ解剖學會が撰定したラテン名のB. N. A. と稱せられているものである(舊學名)。ドイツ解剖學會は,その後その改訂を企て,1935年(昭和10年(Jenaの総會で新學名を決定し,I. N. A. と呼んでいる。
日本の解剖學用語は,杉田玄白(解體新書1774年安永3年),宇田川榛齊(醫範提綱,1805年,文化2年),大槻玄澤(重訂解體新書,1826年文政9年)等によつて次第に形を整えて來たが,1905年(明治38年)鈴木文太郎氏がB. N. A. に則つてひとまず整理統一した。(解剖學名彙)。日本解剖學會はこれの改訂を企て昭和5年4月その用語を決定し(改訂解剖學名彙 昭和7年),從來廣く用いられていたが,上述のようにB. N. A. を基としたものであり,新にI. N. A. が決定されたため,日本名もまた改訂の必要に迫られて來た。昭和15年 日本解剖學會用語委員ぶ擧げられ多年にわたる審議を重ねて昭和18年3月 改訂新學名が定められた。いままで組織學用語及び發生學用語には統一したものがなかつたのであるが,昭和10年7月,日本解剖學會では委員を作り原案を練り昭和18年3月その決定を見るに至つた。
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