発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906808
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癩が一般の病氣と異る點は慢性傳染病であるため隔離の必要上生涯を療養所で送らねばならないことです。本園には1,500人の患者が收容されて居り,病氣の状態を見ますと一番多いのは癩の反應熱(俗にねつこぶという)で39度,40度の高熱が1カ月も2カ月も續いて,その間に劇しい發汗や,神經痛に苦しめられるのです。本病そのものの他に餘病が多く,死因の約50%が結核であります。次に縮病はすべて神經が侵されて居りますから神經麻痺から來る全身ことに手足の創傷が多く創傷による敗血症癩性腎炎,眞性肺炎等が結核についでおります。その他神經が侵されていることから火傷 外傷等種々の外科的疾患の合併症があります。患者の約15%200餘名が失明者。喉頭狹窄によつて氣管切開している者41名。下腿を切斷している者120名。重症者約300名中,重症室に入室している渚150名居ります。重症室の他に普通舍ここには病氣の落着いている者が入つて居ります。不自由舍には失明者や下腿切斷したり手足の不自由な者等が入つて居ります。病状の比較的落着いている患者も何時反應熱になやまされるかも知れません。
重症者の精神的安靜を得る第一の方法は充分なよき看護であることは言うまでもございません。
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