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癩療養所の日記〔5〕
倉重 節子
pp.57-59
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911317
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☆ 5月10日
昨夜,Mがどこから持ち出したのか,刃のぼろぼろにかけた庖丁を振り廻して夜勤看護婦をおどすという事件が起つた。これがようやく園当局上部の耳にも達し“どうにかしなくつては”という動きが見られるようになつた。
癩患者に対する刑罰という問題について園長より説明がある。私はあまり癩患者に関する法律的なことは知らないが,現在癩患者に対する刑罰的なものは余程の重大なものを除きほとんど等閉視されているのが現状らしい。
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