発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906800
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扁桃腺と申しましても口蓋扁桃腺,咽頭扁桃腺,舌根扁桃腺の3種を大別することが出來る外咽頭後壁の顆粒,咽頭側索,耳管開口部,咽頭に散在している腺樣組織も扁桃腺と同じ樣な組織であるのでこれ等を総稱してワルダイエルの咽頭扁桃環と云つて居ります。然し口蓋扁桃腺はこの中で最も大きくて重要で代表的なものですから普通扁桃腺と云えばこれを指しますので茲でも口蓋扁桃腺を中心としてお話しすることに致します。
扁桃腺の問題は,所謂扁桃腺摘出術とか切除術とか云われる即ち手術問題に盡きると思いますが順序として先ず扁桃腺の炎症性疾患に觸れておきましよう。急性扁桃腺炎は誰も周知のものです。唯これもカタール性,腺窩性,瀘胞性と3種に分けられるもので症候もこの順に重くなるものです。腺窩性扁桃腺炎は白い義膜を附けることがありジフテリーに誤ることがありますので注意を要する。これ等の扁桃腺炎は一般に豫後は良いが,扁桃腺周圍炎又は周膿腫瘍を起すと切開排膿を要する。近時ペニシリンが使用せられる樣になつてからは經過が極めて速になつた。
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