発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906796
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人はその顔形の異るように,その生活環境も又非常にまちまちであります。經濟的に豐かに惠まれている人もあれば,ギリギリ一杯の生活のものもあり,又中には常にマイナスの辛さをかこつて暮している人もあるはずです。でもそれが其の人の生活のすべてでは勿論ないので,經濟生活と,精神生活といいますか感情生活とは必ずしも一致しないのですし,又,主觀と客觀とはまるで反對の場合もあるわけです。
何百床もある大病院に,而も近代病院として整備され,ゆきとどいた管理の下で,何不自由なく,日日をたのしく勤務出來る看護婦さんのあることは,本當に結構で,幸せだと思いますが,小さな不備な病院や,診療所などで,看護婦兼醫師助手,兼調劑係り兼雜仕婦といつた状態におかれている人も現在の日本では決して少くありません。それでは,そういつた環境の看護婦さんは,惠れない人達というのでしようか? 不幸な看護婦さんといろのでしようか? ごくごく當り前のことですけれど,もう一度よく考えてみましよう。正しい看護のあり方や,看護婦の業務が明確に浮び上りかけて來た昨今,つまらない平凡事として見逃すことは出來ない重大關心事だと思います。
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