発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906797
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夢と現實希望と不安の交錯した中を,第1回の甲種看護婦國家試驗は規定通り行われました。看護婦の旗印を高く掲げ專門職業としての獨立性を約束された新法令に基く一つの畫期的な事實であります。日本に於ては有史以來最初の事では,あり,何時の世にも兔れることの出來ない新しいことに對する批判を浴び乍ら全國29ヵ所の試驗會場は8,600餘名の看護婦によつて興奮と緊張のるつほと化したのでありました。
試驗施行者側としては,1萬3百餘通の受驗願書に基いて膨大な試問並に答案用紙を各地の會場に護送する技術に於て,一問だにも,否,問題の傾向すらも漏えいしなかつたことは,其の陰に拂われた關係者各位の絶大な努力と協力があつたことはいうまでもありません。當然な事とはいうものゝ何物にも代えられない喜びでありました。今一つうれしかつたもめは,各受驗地よりよせて來る報告の中に一つのもれもなくうたわれていたことは,受驗看護婦の試驗を受ける態度が非常に立派であつたというので,これも又當然そうあるべき本來の姿なのでしようけれど仲々實行性のない點からおして大そううれしく思い且つ誇らしく感じたのでした。
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