発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906750
- 有料閲覧
- 文献概要
整形外科病棟に於いて
まずこの病棟を始めて覗く人々は,その物々しさに目をみはるであろう。動物の檻の樣に木の柵に圍まれたベット,手を吊られ,足を引張られて,丁度ガンヂガラメにゆわかれた囚人の樣な痛ましい患者達を目の前にした時にどこからどう手をつけて看護したらよいか分らない樣な氣持になるであろう。
確かに專門的な看護婦の立場からいつても整形外科での看護技術は最も難かしく,又最も熟練した高いものでなければならないのである。その理由は整形外科患者の特徴を考えてみれば直ぐ分かる。例えば,身體を動かせない患者達であること,動かすとしても非常に審重に痛みを感じさせない樣,患部の位置がズレたり曲つたりしないように取扱わねばならないのである。又,骨疾患であることからいつて非常に長期にわたる療養生活をなさねばならない。3カ月や4カ月間ベットの上で過すことはザラにある譯である。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.