発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906749
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1.まえがき
結核は結核菌に依つてうつる傳染病であり,特に肺結核に於ては結核菌は主として咳と痰とに依つて媒介されます。從つて結核殊に肺結核の傳染を防止する爲には 第1に開放性結核患者の隔離
第2に喀痰の完全な處置
が必要であります。
結核療養所に於ては第1の目的である患者の隔離という點に於ては十分な役目を果しているのでありますが,第2の喀痰の處理の點はどうでありましようか,戰前蒸氣滅菌装置があつて蒸氣で完全に殺菌されていた病院療養所も戰後の燃料不足と設備の荒廢とから蒸氣殺菌の行われている病院は殆どなく,主として藥物による消毒が行われていると思われますがこれも又勞働力の不足と衞生思想の不徹底と管理の不十分とによって必ずしも完全ではないと思われます。
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