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主張 清潔な生活をしましよう
pp.5
発行日 1950年8月15日
Published Date 1950/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906683
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「健康で文化的な……」とはまことによく理想的な氣持をあらわしている言葉だと思うのです。健康で文化的であるとの條件のためには缺くことの出來ない要素があります。それは「清潔」。清潔を土臺にした生活を營んでいれば病氣になることはないと言い切ることは極論でしょうか? 少くとも,皮膚病だの,消化器傳染病だの,寄生蟲だの,といつたたぐいの病氣にはなるはずがないと固く信じています。文化的な生活というのは,必ずしも電氣コンロ,電氣冷藏庫,眞空掃除器などを使用して生活をいとなむというわけのものではありませんがかりに,そういつた生活樣式だとすれば,尚清潔になり得る可能性はつよいと言えましよう。
私達日本人の日常生活のうちで,特に改良したいものは,キチンとトイレツトでしよう。kitchenとtoiletを清潔に保つことが出來れば家中のハヱは少くなり,ハムシもいなくなるでしよう。toiletで生れたハヱがkitchenの廚芥の中で成長し,家族を殖し,人間生活をおびやかす事實は,誰しもの頭の中にアリアリと刻みつけられているのに。何故それが出來ないのでしよう?家の内の清潔が保たれて一歩外に出れば,それはそのまま公衆衞生につながるのです。
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