座談会
「蛇の穴」の問題
村松 常雄
1
,
吉田 幸雄
2
,
守屋 博
3
,
三浦 貞
4
,
長谷川 泉
5
1名大
2厚生省醫務課
3國立東一
4公衆衛生院
5本社
pp.34-41
発行日 1950年5月15日
Published Date 1950/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906650
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面白いが不愉快な映畫
長谷川「蛇の穴」という映画は映画としての藝術的價値が優れているばかりでなく精神病院の内部や精神病者の取扱い方においていろいろ問題を提供しております。日本などではなかなか出來ない映画だと思います。その意味で各方面からこの映画を檢討して,日本におけるそうした方面の問題の展開に示唆したいと思います
村松 あれは面白い映画だと思いますが然し精神病院の内容を紹介するという點から見ると不愉快に感ずる所の多い映画です。看護婦さんなんかはあれを見るときつと不愉快に感ずると思います醫者の方からも不滿でしようし,看護婦は尚不滿でしよう。原著者のウオードという人がどんなモチーフで書いたものか知りませんが,映画化された時啓蒙的な位になつたものではないでしようか。その面白さと演技のうまさではたしかに成功していると思います。
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