発行日 1950年3月15日
Published Date 1950/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906620
- 有料閲覧
- 文献概要
土の中にはいろいろな種類—黴・放線菌・細菌—の 無數の微生物が棲息している。それは空中窒素の固定に,硝酸鹽の遷元に,高等植物の發育に多くの有用な働きをしているが,そのうえその中のあるものは,いくつかの治療藥を最近10年の間に私たちに送り出した。ペニシリンはペニシリウム・フリソゲーヌム・フリソゲーヌムと云う1種の青黴によつて作られるものである。ペニシリンの發見のあと,いろいろな青黴を研究している間に,別に放線菌の各種を研究する人たちはいくつかの幸運に恵まれた。
巾0.5〜1.0ミクロン(ミクロンは1000分の1ミリメートル)の菌絲が分枝してもつれあつてできている放線菌には100以上の種類がある。その一つ,ストレプトマイツェス・グリゼウスはストシプトマイシンを作り,ストレプトマイツェス・ベネゼラあるいはストレプトコイツェス・ベネゼラはクロロマイセチン(腸チフス・發疹チフスの治療藥)を作った。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.