臨床實驗
特發性葡萄膜炎にオーレオマイシン内服療法が著效を收めた症例に就て
盛 重知
pp.410-412
発行日 1953年8月15日
Published Date 1953/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201565
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特發性葡萄膜炎と交感性眼炎との一致性に就ては今日では外傷の有無を除いては臨床像は勿論,組織像も亦甚だ類似している事が立證せられている。1949年ハイデルベルグ大學のシユレツク教授は交感性眼炎の原因である一種のバイラスを組織的に發見し,1950〜51年には之のバイラスの鶏眼移植實驗に成功した事を發表している。
之等の事實よりすれば特發性葡萄膜炎の原因も亦バイラスではないかと誰しも想定する所である。九大生井氏等は葡萄膜クロマトフオレンに親和性を有するバイラスを想定しており,東大杉浦氏等は本症例の前房水並びに網膜下液を以てマウス腦内に累代接種及び本病恢復患者血清を用いて中和試驗にほぼ成功した成績を發表しており,近頃特發性葡萄膜炎の原因に就てはバイラスに關する研究が注目すべき題目となつた。
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