銀海餘滴
癌の早期發見
pp.299
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201528
- 有料閲覧
- 文献概要
我國で1年8000人の婦人が子宮癌のため死亡する。この死亡は,1年3400人の妊産婦の死亡とともに婦人だけに與えられた不幸の代表的な2つのものである。この他乳癌の死亡1千餘もほぼ婦人だけの不幸である。男の場合には,これに相當する不幸はない。
我國の子宮癌の死亡率は,統計の作られている國のうちでは米國の有色人に次いで最も高い。もつとも,我國の婦人の子宮癌にかかる割合が,他の國の人にくらべ大きいのか,或は早期に發見治療を受けるものがすくないため,結局死亡率が高いのか,その邊の事情は,充分數字的に檢べる材料に乏しいが,おそらくはこの兩方ともに事實であろう。即ち,我國の婦人は子宮癌にかかる割合も大きく,又そのうち死亡する割合も大きいのではないかと思われる。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.