発行日 1949年8月15日
Published Date 1949/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906506
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看護婦といふ職業にある私が突然病臥してから既に9ケ月餘──。先づ感じたのは自己の健康管理さえ出來なかつたといふ忌はしさを時日の經過に從つて看護といふ仕事に對する強い愛著心を今更ながら發見したことである。
次に最も痛切に感じたのは,患者の心理が自己に關した事となると,健康上の事は勿論,精神的にも如何に細かな神經を使つてゐるかといふことである。僅かの期間であるが自分で體驗し,又一般の患者と共に病臥してみて,その心理の動きが元氣で勤務してゐたあの日此の日を思ひ出して深く考へさせられる事が多いので,大體結核患者の青年心理を主として合せて看護婦であつた私の療養中に感じたありのまゝを,よい看護をしてあげられる爲の1微粒子ともなればと思つてまとめてみた。
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